「ハーモニーという世界」の楽屋うらから
「ハーモニーという世界」の楽屋うらから
確かな記憶の片すみで(埋もれてしまうには偲びがたし)大切なイベントの一つには間違いないので緊急ながらブログを書いてみます。
『ハーモニーという世界 ~アニメが名画になる瞬間~』
開催日:11月14日(土) 18時開場/19時開演
開催場所:阿佐ヶ谷ロフトA
東京都杉並区阿佐谷南1-36-16-B1
ご登壇者:大橋 学 氏
椛島義夫 氏
小林七郎 氏
野口征恒 氏(日本一の「ジョー」マニア/第二部のみ)
氷川竜介 氏(アニメ特撮研究家)
※五十音順
司会:菊地 氏(リワークス)
2015年 阿佐ヶ谷LOFTA 11月14日 Pm19:00〜
登壇者(五十音順) ←と言うより流れから言うと(ハーモニー本での宝島のイラストを描いた関係で菊池さんとジュンさん、伊藤郁子さん、とお茶会でこのイベント案が生まれた経緯が有った)大橋学が真っ先に決定していたのだった。
次にガンバの 椛島義夫氏:夢弦館主宰 の参加が決定し。
その次に出演依頼をされてたのが数々の出崎作品の美術監督を担当された
小林七郎氏。と
言わずもがな 出崎 統+(ゴールデンコンビ)の杉野明夫氏、でした。
御二方とも無理だろう?と思っていましたよ、七郎さんは大変ビッグな大御所、なので参加は有り得ない?←はずでした。
方や杉野さんも(当然ながら有り得ない)←だってね〜、話も苦手だろうけれどそんな時間が有ればボクは描いてますよ。って言われそうだし そう思うものw 魔ぁ出たとしたら奇跡だろうね〜(真面目に出演はゼッタイナイ笑)
◎そして更に出演を受けてくれた方がお二方が参加して下さりました。
アニメと特撮研究家と言えばこの方。ナビゲーターとして 氷川竜介さん。
(TV出演多くまた出崎演出については大変詳しい方だと思う)
そしてシークレットとして「あしたのジョー」ならこの人!の野口正恒さん。第2部からジョーを資料と共に語ってくださいました。
◉まあ大橋としては出崎作品に近い御二方 七郎さんと椛島さんが出て下さったことにホントに感謝します。
☆椛島さんにとっては何と初のトークイベントでしたから!。
←楽屋ウラではサイン入りのために三人がリレーしてフル回転でした (笑
一部分再現追加: 最初の登壇しゃの皆さんのお話し(順番通りに)
大橋学(談)
えー、あ、どうも、大橋学です。(拍手) え、イチアニメーターですが まー、えーアニメーターの上にさ迷いってのが付いて、(会場笑)さ魔よい50年のアニメーターです。(会場笑)
え、ちょっとハーモニーについてチョットだけ話してイイですかね?
えーとね、出崎さんからは直接ハーモニーでお願いしますとは1度も言われたことはナイんですね、えー、それで出崎さんは初期に貸本屋のまんが(劇画)を描いてた時代の話はブログでも書いたんですが‥あの、映像を止める前はスロモーションでしょ?スロモーションって言うのはアニメーションでイチバン表現しにくいんで、じっさい「スローで」又は「O・L動画で」でお願いします。と言われるんですがあまり上手く行かないんですよね。で、それならば やっぱり止めた方が良いだろう、て、そのへんからね、止め、止め絵、描き絵、て言う感じになって行ったと思うんです。
だから、あの、ハーモニーと言う洒落たことばは一切無かったです
過去の作品では、コブラ辺りかな〜、あの辺から(ハーモニーと)付いたような気がします。
なので、ハーモニーってそのものを検索すると色んな(それ以外のも)
ハーモニーが出て来ちゃうので、出崎ハーモニーって、=イコールには成らないんですね
それなので あの〜、出崎さんの気持ちとしては(スタッフ全員に)「これに挑戦して来いや」と(特に)作画の人にも言ってるような気がするので えー、チャレンジ・ハーモニーと感じで、頭に何か付くんじゃないか!?と思っています。
魔、そんなところです。(会場拍手)
椛島義夫 (談)
あの〜ガンバのシジン(詩人)です‥ (笑いが起こる)
あのー 実を言うと‥あのシジンは 最終話でぇ 亡くしてしまう○○←:(注:バン、版?少し不明あり)も合ったんですが やっぱり僕が言ったんですけど、出崎さんに「死だけでそれはドラマなんだよ」と言われ却下されまして‥ここまで歳を取ってしまいました。
今日は、なんか…こう言うところ出るの初めてなんでアノこのあとヨロしくおねがいします。(拍手)
小林七郎 (談)
小林七郎です。
えー実は髪の毛残ってますがもう83に成ります、はっはっはっ(会場どよめきの拍手)
あの〜現役を引退してやっと自分の絵の世界と言うか、勝手な日々をやってます。え〜出崎統さんとの出会いでもって私はやっぱりアニメーションとの関わり(関わわった事)の意味を1番 高められたかな、と思います。
詰まり彼は表現者なんです、本当の意味での、
あの〜説明的な、とか、人を安心させる、こう共感をただ引き出せる だけではなく強く自己主張を、自分の思い、とかを これを強く出そうと言う意識が非常に強いと思います。
え〜、ですから、
特に、、彼の頭の中には(主に置いてたのは)心理描写だと思うんです。
(目に)見えないもの、心、気持ち、そして雰囲気、そういう見えない世界を具現化しようと、そのためには写真的な説明的な絵じゃ駄目だ!と言うのが彼の念頭に有ったと思うんです。
常に表現的な デフォルメ、誇張ですね、そして 時間やら全てをえー歪めてく、変更して行く、ん!(納得するようにうなづき)
私の1番好きなのは(元祖)天才バカボンの劇画の回です(会場からおーと言う笑が)
この中でヤクザが押売りが来る、(会場笑)あーれは 秀逸だと思います!勿論ガンバでも他にも冴えた見せ方は有ったんですが 私は アレ(劇画バカボン)がイチバンだと思います。(拍手)
はーい。
え、てなことで非常にやり甲斐の有る経験をさせて頂いたと言う
彼に対する尊敬の念を今でも持っております。(大拍手)
氷川竜介 (談)
アニメ、特撮研究家の氷川竜介です。
えーほんとに出崎監督の作品にはものすごい深い感銘を受けていまして、
ま、あのー、えーとちょっとしたエッセー、論文等などを書かせていただいてます。え〜菊池さんからハーモニー画集が出ると聞いた時 ホントびっくりしたんですよー。本当に30・40年単位で一回とかおぼろげに出来たらイイな、と 思ってたので、
ま、 出版不況と言うご時世に果敢にも挑戦して、凄いなと答えたら「それじゃあ解説を書いて下さい」と言われ、(会場笑)(その縁で)
そういう流れなら断われなくてこの会場に参加することになったのです。(会場笑)
まー、七郎さんのおっしゃるように(出崎さんは)観客に挑戦して来る、挑みかかって来る「俺はこう思うが、お前はどうなんだ!」と言う姿勢の作品が多い。ー略→(今はハーモニーの手法であるセルが
無い、と説明し)ー 今日は逆に皆さんからハーモニーについてお聞きしたいと思っています。宜しくお願いします。(会場から拍手)
会場の始まり第一部は「ガンバの冒険」のエンディングからでした。
*椛島さんにー 近藤さんが描かれたとか?、の問いに
「(これは確か芝山さんがレイアウトを描き、そこにロットリングでペンを入れたのが近藤さんです) 僕は関わってはいないです。)」と、
話はどんどん盛り上がって行きますが、トークの再現は‥ぜったいにムリですw
*杉野さんから絵とサイン入り本が届いたのでびっくりのハプニングが有り、
急遽 出さない予定だった「宝島」の大橋学版の色紙を出すことにした。
(これが大変近い人に当たり、これも又びっくりでした笑)
また途中で椛島さんの自分のやった(ガンバ26話)の感想が聞けたのにはびっくりです💦
おぼろげながらにも再録して見ます。
「あのね…大橋くんのやった(描いた)カットでいっちばん覚えてるのは、最終話でノロイ が海から出て来るところ… アレは、、もうぶっ飛ぶくらいの 迫力ありました!、や、‥今だに覚えています。」
椛さん、どうもありがとうございました!又
昔のようにオオハシ君ても呼んでくれたのも又嬉し〜です^ - ^
宝島の話。
第二部。あしたのジョー2の話。と話は野口さんを交えどんどんと行きますが…
*とは言ってもね、DVD記録映像はいただいたものの見ると珠玉な言葉が有りすぎて
再現するには本当に困難と知りました。(だから再現はあきらめました)
◎それでも少しでも伝えたいと思った有るなにか?が有ったからでした。
トークの終わり頃に自分が話している間か終えた時にか
瞬間のほんの数秒だけ“感極まった瞬間"が起こりました、
あと二秒もコレが長引いたらきっと泣いたな…(と思った)
ほんの数秒かん心とたましいが浮遊したのか?
いやいやほんとに出崎さんが居たのでは?そうなのでは?
在り得ることとは思いますがコレ不思議な体験感覚でした。
DVDを再生して見て 何処でそれが起こったのか、が 良く分かりました。
恥ずかしくも有るので自分のことばを探している時にそれは起こった。
と、だけ言っておきます。
それぞれのラストメッセージだけ見ながら再録をしたのでそんなコトが有りましたか?の軽い気持ちで読んで下されば とても幸いです。
ー 三人のメッセージさいろく より ー
ハーモニーという世界
小林七郎さん終りの談話より
「やっぱり魅力の追求だと思う。余りにも既成の知識や映像やらが蔓延っしちゃってて
本当にゼロになることが如何に難しいか?つまりゼロから何かを発するそこに唯一の魅力と言うか唯一の魅力と言うか クリエイトの本質の出場所がそこに有ると思います。
あのー、手が勝手に描くとか自然にこうなっちゃうという?そういうものの作り方、意識が邪魔をします、知識が邪魔をします。色んなことと比較して安心したがる自分がいます。それとはもっと切り離れた未知への挑戦と言うか、大げさですが。ま、これが出崎精神なんですよ。
是非、出崎作品を通してクリエイトすることの本質に目を向けていただきたい。そして人間わざ、手わざの魅力、その時しか出来なかった、その時にしか出来ないハプニングと言うか、そこにリアリティが存在する訳です。
そういうもので勝負したいですね。アニメ映像もそうなってほしい。と思います。」
toco toco ep. 17 さんより 小林七郎さんの散歩
椛島義夫さん。終りの談話より
「え〜と、あの〜、この歳でまだアニメを描いてるんですけど、えーとね なんで描けてるかって言うと、、ガンバって言う作品に参加出来たからだと思っています。
いまだにガンバガンバって、ホントにこれしか無いってみたいに、
ホントはもっと他のも描いてるんですけどやっぱりね…(場内に爆笑がおこる)
ほれで出崎さんにものすごく感謝したいのは やっぱりもの凄く(ガンバの冒険は)ボクのピンポイントになってるってこと。(出崎さんに)1番に教わったのは何か?って言うと
キャラの作り方です。で、ボクはそれまでオリジナルのキャラを作る時はフォルムから入ってました。で、先ずフォルムをトレスしてそれからある程度自分の中でそしゃくしてそれからキャラを起こしていく。
ただ出崎さんから言われたのはキャラを作る時は【印象から入りなさい】て言われました。
例えば怖いキャラなら何が怖いのか?目が怖いのか?爪が怖いのか?
だからキャラを作る時は やっぱり可愛いキャラだったら 何処を可愛くすれば良いのか?何処を強調したら(キャラは)浮いて来るんだろう、立って来るんだろう、て
言うふうに、だからそう言う意味では
ものすごく出崎さんには感謝しています。今日はありがとうございました。」
大橋学。終りの終りに
「あ、えーとですね、今日は出崎さんのことじゃなくて、一つ二つ言いたいことが言えなかったので最後に、アーティストの作画のアレでね‥、今回のテーマは?ハーモニーという世界」〜名画になる瞬間〜でしたっけ?で、え〜と
作画に関しての表現で、もうこれで良し!、という瞬間が有るんですよね、えー 最後に自分で「筆を置く」と言うことなんですけど。それはアニメーションの原画もそうですし 1まいの絵を描くって言うのもそうなんですが 最後に「これでよっし!」と言う瞬間が有るんですよね。
で、アニメーションの場合は原画の最後の1まいを描いて、シートを付け終えてシートを閉じる直前に「もうこれでよっし!」て自分で決定する瞬間があるんですよね。
で、今の業界はまーあの〜、その後、二重、三重とチェックが入りますけど本当は自分がこれでよっして最後のシートを終えたら(その後は)いっさい直して欲しくないんですよね。
で、1まいの絵は同様に 、アニメーションのようにチェックは無いんですけど、
もう最後に一筆も描くことは出来ないな、と言う最後のこれでイイと言う瞬間が有るんですよね。えー、作画関係者の人には通じる話だと思いますけれど‥
そうですね‥
色んな意味で小林七郎さんの出崎さんに対する想いと言うのは凄く共感して判るんですけど、同じように あの〜色んな意味で 確かに 「コンちくしょう!」という思いもあるけど 良い試練を与えてもらえたな、て言うふうに 作品を通じてやっぱり 「前の繰り返しはしないでしょ?て言われ、確かに今度はなんだ?明日はどっちだ!」ではないですが、そんな感じでね‥ホント明日のその前に「今日はどっちだ!」なんですけどね そういう感じで えー、(出崎さんに関わることで)問題提起は有るけれどそれはそれで、
自分が受け応えられて最後に自分がこれでよっし!と言う瞬間が最後に閉じることが出来れば、ホントはもうそれで‥だいたい通じるんですよね、ん、やったな!と言う 以心伝心ではないですがその瞬間が必ず来るので、
そういう総合的なチャレンジする関係同志をハーモニーと言うならば認めたいと思いますが、単純な1まいの止めをハーモニーと言うならあまり理解出来ないな、と言うのが今日の感想です。
で、言いたいことは言えなかったですけど、椛島さんと杉野さんは調べると同じ歳生まれなんですよね?だから 多分学年も一緒で、現在お二人ともバリバリで(現役で)描いていらっしゃるので、えー、 六歳 先輩なんですよね、だから見本として有り難いです。
今日は御二方ありがとうございました!。
陰ながら出崎さんが「良し良し!」て言ってるかは分かんないです「何言ってんだ!」て言ってるかも、判らないですが 間接的にそんな出崎さんが居るような気がします。
あと参加できなかった杉野さんも 今だ熱い思いを継続して持っていると思います。
そんなところです
今日は みなさん ありがとうございました!」
toco toco ep.23 さんより大橋学散歩
野口さんの言葉
「すいません僕なんか、この空間に一緒に居ることが出来、大変幸せでした!
皆さん ありがとうございました!」
*登壇者全員 会場から盛大な熱い拍手で退場。
主催の菊池さんより 「再びこのイベントが有るかも知れないです、またその時は宜しくお願いします。今日はありがとうございました!」
ー ハーモニーという世界のイベント 閉幕 ー
大橋学さま
「ハーモニーという世界」大興奮の一夜でしたが、まさかのメンバー揃いに、
まさかの貴重過ぎるトーク盛り沢山、メールでは語りきれない特別な、奇跡的なイベントでした。
あの場に居れた事を心から好運に思います。
本当に本当に素晴らしい夜でした。遅れて前に座られた方の座高が高く、学さんがほとんど見えなかった事以外は…(>_<。)。
*(笑)ありがとうございました。伊藤郁子さま。
資料映像提供↓tocotoco TVのアンさま
“@tocotocotv 2015年をありがとうございました。新しい2016年もtocotocoし魔すように☆
練馬アニメーションサイトさんより「ハーモニーという世界」のブログが有りました
宜しければこちらもご覧ください。
阿佐ヶ谷LOFTA
2015-11/14
記録日 2015-12/31 MAO (大橋学)
補足2016-1/5 :加筆するかも、しないかも?(出来たらですけどね^^;)
plus:付け加えたあとがき
小林七郎さんはとにかくスゴイ熱かった!(常に闘うこと也と‼︎)
椛島さんは………シ、シジンでした!(初トークお疲れさまでした)
とにかく言葉では言い尽くせないけどもハーモニーイベント
それは「ことばの宝石箱」みたいでした!
イベントに感謝です!
最後に
ハーモニーとは?
「動画と背景がハモライズすることですよ。」と小林七郎さんの纏めも有りました。
そっか〜〜(笑)
大橋から七郎さんにもひとつ(ハーモニー手法を受け継いだのは○鹿さんですか?)て七郎さんに(誘導しつつ)聞いたらば
「彼は綺麗すぎて、むしろ○谷君かな○○○」だそうです(⌒-⌒; )w
おー!コレハヒミツだったのかな……💦
追加記録: 2016ー1/15 大橋学 (MAO)